1. 「いま」を扱うデータ連携基盤 ― JEITA 先端交通システム部会 勉強会講演ご報告
2. 計12回連載【マルチAIエージェントを支える要素技術】第10回:エージェント間通信とA2Aプロトコル ― エージェントをつなぐ標準規格
過日、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)先端交通システム部会の勉強会で、弊社プリセールス・ディレクターの川久保が「次世代モビリティにおけるリアルタイムデータ連携基盤の実装」と題して招待講演したことをご報告いたします。
JEITAは、電子機器・電子部品・IT分野の企業を中心に、技術の発展や産業の成長を推進する業界団体です。
同部会は、モビリティ関連の事業者と研究機関が連携し、「豊かな暮らしを支えるデジタル交通社会の実現」をテーマに活動しています。本年度はテーマの一つに「自動車プローブ情報等のオープン化と新サービス創出」を掲げており、今回は社会実装に向けた技術と事例についてVantiqの知見を提供してほしいとのご依頼をいただき、登壇いたしました。
講演前半では、ITS(高度道路交通システム)でのリアルタイム・データ連携の重要性と、その基盤となるイベント駆動とCEP(複合イベント処理)の技術を、Vantiqの海外・日本での事例を交えてご説明しました。また今後の活用例として、GPS情報と気象情報を組み合わせて車両の浸水被害を減らす構想をご紹介しました。
後半では、問題提起として、今後求められるデータ流通のエコシステムについての考え方をお示ししました。
多くの場合、利用者が求めているのは生データではなく、状況を理解し、次の行動の判断に使える「情報」です。しかし、生データを組み合わせ、価値を生み出すには運営コストがかかります。
情報の価値と公共性に応じ、公的機関や事業者が役割分担をしながら、ばらばらに存在するデータをとりまとめ、「情報」として届ける新しい仕組みが必要です。
当日は多くのご質問をいただき、皆様のご関心の高さを実感いたしました。あらためて御礼申し上げます。
さらに、講演後には、ITSに関する情報通信技術の検討や普及を推進するITS Forumでの講演のご依頼もいただき、11月の検討会にて改めてお話しする予定です。
Vantiqは引き続き、モビリティ分野におけるリアルタイムデータ連携の実装に取り組んでまいります。
複数のエージェントが協働するためには、お互いにどうやって「話しかける」かを決めなければなりません。MCP(第6回)がLLMとツールをつなぐ規格だとすれば、A2A(Agent-to-Agent)プロトコル はエージェント同士をつなぐ規格です。
2025年にGoogleが提案したA2Aプロトコルは、異なるフレームワークやベンダーで作られたエージェント同士が相互に通信できる標準インターフェースを目指しています。各エージェントが「Agent Card」と呼ばれる自己紹介ドキュメントを持ち、自分の能力・入出力形式・エンドポイントを宣言します。
これにより「自社で開発した調査エージェント」と「外部サービスのデータ分析エージェント」を組み合わせることが、標準的な方法で実現できるようになります。
通信方式としては、タスクの依頼・結果の返却・進捗のストリーミングなどがHTTPベースで定義されています。
MCPとA2Aは補完的な関係にあります。MCPがエージェントとツールの接続を担い、A2Aがエージェントとエージェントの接続を担う、という棲み分けです。この2つの標準化が進むことで、エージェントのエコシステムが大きく広がることが期待されています。
次回:マルチエージェントを「現場で動かす」 ― リアルタイム性とコンテキストの力
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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Vantiq株式会社
代表取締役社長 佐藤 知成
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